2014年8月1日金曜日

クレドを使う前に。

ライフスキルを育むマイ・クレド。

ライフスキルがビジネス、結婚、家庭、人生に与える影響は知能指数よりはるかに絶大です。

自己肯定感の不足はコミュニケーションスキルに直結していて、その解決方法としてアサーティブ(積極的自己主張)が力を発揮します。

しかし自分が積極的に主張すれば事足りかといえばビジネス、結婚、家庭、人の現場では、そうはいかず、かえって重大なダメージを受けることもあります。

アサーティブは米国の人種差別、男尊女卑の生活の中から誕生し、古い世代から長い間引き継いできた因習を突破し、重苦しい課題を解決に役立ちました。

自分たちは自ら立ち上がって解決をしてきた自負であり、現代アメリカを支える誇りと言ってもいいでしょう。ここではアサーティブ以前の問題として是非抑えておきたいポイントについて説明します。


クレド、アサーティブと言う前に。

チーム(会社内、家庭内、クラス)で生じる問題の多くはコミュニケーションの悪さにあります。 

無関心や偏見は、なんでもない少しのことを歪めて、風通しを悪くします。

風通しを悪くする原因は、押しつけ、強引さ、抑圧など、相手のことを配慮しないことで起こってしまいます。

そのような場所で、自分の意見を明確に伝えられない抑制は、状態を一層悪くしてしまいます。 

このようなコミュニケーション不全の環境では、アサーティブ云々以前の考慮が必要なのは言うまでもないでしょう。

人にはいろんな立場、状況があり、同じことを求めるには無理があります。決して日和見主義ではなく、それぞれどの立場でも尊敬や尊重が欠かせないからです。尊敬や尊重こそアサーティブのポリシーを貫いている柱です。

尊敬、尊重のあるところ、自分の意見、考えだけを伝えればいいということはなく、相手にも考えて判断してもらうことが欠かせません。これが欠如するから、防御の壁が出来て風通しが悪くなります。

つまり自分の意見を伝えれば良いのではなく、相手の考えを引き出し、さらに自分と意見交換することで、考えてもらう機会を提供するのが大切です。

この姿勢なしにアサーティブはなく、また語るべき内容と方向性が曖昧なままにコミュニケーションはできないと考えます。

ビジネスシーンの<上司→部下>のコミュニケーションでは、大きく分けると3つのタイプあります。

  ●言いたいことを言う。
  ●言いたいことが言えない。
  ●言いたいことを言って、聴くべきことを聴き、客観的に見て接点を見つけて、
    より優れた方法を合意の上、採択する。

人生は選択の連続です。 コミュニケーションも多くの選択をしているので、相違する価値観のぶつけ合いが起こります。意見に対して反対意見があって当然です。この調整こそがコミュニケーションの課題であり、調整能力がコミュニケーションスキルの重要なひとつです。

<上司→部下>の関係は、ある意味、腕力勝負みたいなところがあり、<上司→部下>に言いたいことを言い、<部下→上司>に言いたいことが言えない、という対立が隠れることがよくあります。
結局、大事なことは通じていなくて上司、部下共倒れになるリスクがあります。

このようなシーンを少なくしていくためにクレドは大活躍します。しかし万能ではありません。考えてみてください。あなたが自分に毎日必ず腹筋を30回しなさいと指示したといます。必要があると思ったからで、「決めたことは必ずやる」とクレドで明文化したとします。あなたはクレドを見て実行するでしょうか?

かなり曖昧です。自分自身でさえそうなのに、他者との関係でできるでしょうか?
もし組織なら、強いリーダーが仕切っていて「クレド通りにやらないとうるさいから」と思えば、クレドは失敗です。

これはクレドに責任があるわけではなく、導入以前の未解決の問題が原因なのです。
つまり相手とどんな関係が築きたいのか、肝心のことに折り合いがついていないのです。

いまこのような風土の企業は成長しません。
言い換えると、未解決のまま生きて行くことは個人としても失敗なのです。このような未解決を解決するのがクレドですが、クレドを作成する前に片付けることがあるということです。

次回は、その問題について説明します。




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