2014年8月30日土曜日

そんなに大事か、WHY型

一線で働くビジネスマンにとって、「何をどうしたら売れるのか」と一番関心の高いテーマですから即効性があるのはHOW型だと考えます。もっともです。

しかし「なぜマナーは必要なのか」「なぜお客さまが大事なのか」「この作業は何のためにするのか」という基本的なことを教えずに、動機づけはどうするのでしょう?テクニックばかり詰め込まれた若い社員はどう育つと思いますか?

テクニックばかり詰め込まれた人から買う理由がユーザにあるのでしょうか?仮にいま儲かっていたとしても限界がくるのは時間の問題です。しかしHOW型の人にはこれが理解できません。もっとHOWをよこせというばかりです。
HOW型の育ち方しかしていないので無理なのです。

たとえば宮本武蔵は、最初は同郷の友人、本位田又八と同じくHOW型の若者でした。しかしあまりの無頼に激怒した村人や沢庵和尚によって幽閉されます。ここで来る日も来る日も、考える日々を過ごし、剣の修行に旅立ってからも、剣を通して考えます。

どうすれば勝てるかと考え学ぶ、より磨かれたHOW型に物事の本質を考えるWHY型が加わります。決闘を繰り返すほどWHY型が優って行くようになります。一方の本位田又八は士官の夢破れ、その後チャンスのきっかけもないまま、つまりHOWを考える機会さえなくさまよっているだけです。

HOWはテクニックを発揮する機会があってこそ使えますが、機会がなければどうしていいのかわかりません。これがHOW型の限界です。
限界に追い込まれるとどうしていいのかわからないので、うまくいかない原因を自分の外側に求めます。環境、状況、他人のせいにして責任回避するしかないのです。

そんなに大事か、WHY型?の答えがここにあります。

人間には外側の力と内側の力があります。
外側の力とは、外部の人から評価されやすい力です。目に見えるからです。役職、学歴、収入(財産)、専門知識、等々です。外側の力が、本人に会ったことがなくても、分かりやすいものです。
しかし、期間限定、地域限定、なにかと限定的です。退職したら役職は関係なくなります。外国で暮らせば通用しないものがたくさんあります。

一方、内側の力は、外部から評価されることは稀です。見えないから分からないのです。物事の本質を大事にする心の在り方など、どれほど優れていても、本人と深く接する機会がないと分かりません。

「外も内もない自分がいいと思うならそれでいいのではないか」と考える人もいるでしょう。まさしく見方が在り方(BE)を決めているのです。そして在り方が見方を決めているのです。

つまり在り方を変えない限り、見方(思考)は変わらないので行動が変わらないのです。

見方(思考)の影響で仕組みを創れる人と創れない人がいます。仕組みとは相乗効果であり、相互依存の発展したものです。たとえば会社という組織は相互依存の典型的な事例です。相互依存が力を発揮するには、自立していることが前提です。

会社内のどこかに自立していない者がいると、停滞し淀んでしまいます。相互依存は不可能になり、依存だけが残ります。依存は生まれて間もない幼児の専売特許です。もし依存する人が増えたとしたら、組織は組織力を発揮できず崩壊するのが原理原則です。

自立できていないものにとって、HOW は喉から手が出るほどありがたいものですが、いくらHOW をかき集めて成果をあげても、限界がきます。すると崩壊が始まります。


WHY型は在り方を追求し、大義を大切にします。つまり社会力を大事にするのでチームワークのレベルアップに発展し相互依存力、共有を高めていきます。仕組みの始まりです。



2014年8月29日金曜日

クレドがなぜ必要か?

クレドをサービススローガンだと考える人がいます。
サービスの手帳だと思い込んでいる人がいます。

はっきり言って、これは間違いです。

サービスをするためのツールではありません。
ホスピタリティーのツールでもありません。

では、なんのために使うのでしょうか?
分かる人にはすっと腑に落ちますが、分からない人にはさっぱり分からないということは珍しくありません。

それはあなたが歩んで来た道の違いによる違いなのです。

あなたの思考、行動、感情の中心になにを置いているかで、歩く道は自ずと変わります。

いまどき、自律型マネジメントが社内にシステムとして機能させられない組織は競争力がないといって過言ではありません。

自律とは「他からの支配助力を受けず,自分行動自分立て規律に従って正しく規制すること。」です。つまり自分で自分の役割が果たせるように自分で律して行動できない人が集った組織は収益力が低いのが前提の時代なのです。現実がそういう時代になってしまったのです。

ですからリーダーがする最大の仕事は、自律したマネジメントが機能している組織を作る事です。そのためには組織をWHY型にすることを避けて通ることはできません。







WHY型とHOW型

なぜ?と物事の本質に目が向く人と、 どのように、どうしたら効率的にうまくやれるかに目が向く人がいます。さらに両方の重要なポイントにバランスよく目が向く人がいます。バランスよく目が向く人の中心は物事の本質にあります。

思考は生まれ育って来た環境の特性が影響しますので、職場での指導、トレーニングを行っても「WHY型」を育成することは困難です。それでも日常の在り方でかなり育成することができますが、実際には物事の本質を考えさせる人が傍にいる間に限定されてしまう場合が多いようです。

そこでリーダー、マネジャーにふさわしい人にはWHYとHOWの両方にバランス良く目が向く人という条件がつきます。そうでないとWHYとHOWのバランスのとれた職場は創れないからです。



2014年8月9日土曜日

働きがいのある会社の作り方

「なにをするか」と「どうありたいか」

中小企業の場合は、特にトップの日常に思考パターンで、どちらかに偏る傾向があります。

「なにをするか」に偏った会社は、儲けるために「なにをどのように売るのか」に熱心です。

どうしても顧客目線が抜け落ちる傾向があり、頑張るけど”もろい”側面があります。調子に乗ったときはイケイケで進撃できますが、一旦不調に陥ると突破口を見出す議論が深まりません。

一方「どうありたいか」という思考パターンに偏った会社は、遠回りしているように見えます。「なにをするか」に関心が強い人には何を言ってるのかよくわからないもどかしさがあります。

さて、あなたの会社はどちら派ですか?

当社では「どうありたいか」にこだわった提案をしてきました。今後も変わりません。どん底状態の会社を起死回生した現実の改革改善で効果を発揮してきた体験に基づいた自負と自信があります。

「なにをするか」を軽視するつもりはありません。実際には「なにをするか」で良くもなるし、悪くもなります。
OSがあってアプリが動くように、「どうありたいのか」がきちんと固まって、その上で「なにをするか」が重要だということです。

クレドは、「どうありたいのか」と「なにをするか」をつなぐツールです。

DO<BE 

ありかた、「どうありたいのか」を具体的に固めるとき、お客さまに対する心構えみたいなことを決めます。どこの企業でも言葉に置き換えますが、実際には書いてあるだけで、目にはするけど、気をつけましょうみないな感じで終わっています。

ないよりあるのがマシ程度の扱いで、戦略も戦術にもかすらない。みんなやってるから「我が社も会社らしいことを」のひとつです。

しかし、お客さまは「どうありたいのか」の違いを感じて支持してくれます。違いもなく、思いもない会社や店から買うものはありません。たまたま必要が生じて、そこにあったから買ったに過ぎません。リピートする理由もありません。そこでもっと売りたい(儲けたい)会社や店は、「なにをしたらもっと買ってもらえるか」を考えます。俗に言うマーケティングミックス、マーケティングの4Pを考えます。
Product(製品):商品、サービス品質デザインブランド
Price(価格): 価格割引、支払条件、信用取引
Promotion(プロモーション):販売促進、広告 等
Place(流通):立地、品揃え、在庫

しかしはっきり言って、「なにをしたらもっと買ってもらえるか」で考えられる範囲はせいぜい価格、プロモーションぐらいで、肝心の商品には及びません。「一旦不調に陥ると突破口を見出す議論が深まらない」という限界はここにあります。

こだわりとは、在り方の問題です。モノもサービスも溢れている時代に、「私があなたから買う理由はなんですか?」と尋ねられたときに、はっきり言えて、それが顧客に決定的な違いをもたらすものでなければ買う理由を感じないでしょう。

在り方とは、存在異議なので、4Pはもちろんですが、さらに範囲は拡大します。拡大してとりとめがなくなるので、視点をステークホルダー(利害関係者)に絞り込み、ステークホルダー単位で在り方を決めます。

それがクレドになります。


働きがいのある会社

先に説明したように、ステークホルダーには、従業員や家族も含まれます。
クレドを通じてワークライフバランスの在り方も浸透して行き、それに伴いワークライフバランスへの具体的な取り組みの入口になります。言い換えると働きがいのある会社への取り組みになります。

この成果は、優秀な働き手を集める原因になり、在り方を土台にして好感度の高い会社づくりが好循環することになります。


冷静かつ客観的に考えていただくと分かると思いますが、自然に競争相手を引き離し、持続可能な利益を生み出す構造が創造されることを示唆しています。

働きがいのある会社の典型的な仕組みが「自律型マネジメント」です。裏返せばその組織で働く人々が自律しているから働きがいのある会社にできるのです。

しかし最初から誰でもが自律していることはありません。

そこでリーダーシップの出番になります。それが「会社を潰さない社長の仕事」なのです。
つまり「会社を潰さない管理職の仕事」です。




マネジメントの基本 防忘録


【会社を潰さない社長の仕事】 



マネジメントの基本とは、リーダーシップそのものです。どれほど優れたマネジメントもリーダーシップのあるマネジメントには敵いません。

リーダーシップのある優れたマネジメントの実行こそなにより重要であり、すべての入口になります。

クレドはそれを具現化するツールであり、プロセスです。「どうありたいのか」のかにリーダーシップの方向性が宿り、「なにをするか」にマネジメントの方向性が宿ります。




2014年8月1日金曜日

クレドを使う前に。

ライフスキルを育むマイ・クレド。

ライフスキルがビジネス、結婚、家庭、人生に与える影響は知能指数よりはるかに絶大です。

自己肯定感の不足はコミュニケーションスキルに直結していて、その解決方法としてアサーティブ(積極的自己主張)が力を発揮します。

しかし自分が積極的に主張すれば事足りかといえばビジネス、結婚、家庭、人の現場では、そうはいかず、かえって重大なダメージを受けることもあります。

アサーティブは米国の人種差別、男尊女卑の生活の中から誕生し、古い世代から長い間引き継いできた因習を突破し、重苦しい課題を解決に役立ちました。

自分たちは自ら立ち上がって解決をしてきた自負であり、現代アメリカを支える誇りと言ってもいいでしょう。ここではアサーティブ以前の問題として是非抑えておきたいポイントについて説明します。


クレド、アサーティブと言う前に。

チーム(会社内、家庭内、クラス)で生じる問題の多くはコミュニケーションの悪さにあります。 

無関心や偏見は、なんでもない少しのことを歪めて、風通しを悪くします。

風通しを悪くする原因は、押しつけ、強引さ、抑圧など、相手のことを配慮しないことで起こってしまいます。

そのような場所で、自分の意見を明確に伝えられない抑制は、状態を一層悪くしてしまいます。 

このようなコミュニケーション不全の環境では、アサーティブ云々以前の考慮が必要なのは言うまでもないでしょう。

人にはいろんな立場、状況があり、同じことを求めるには無理があります。決して日和見主義ではなく、それぞれどの立場でも尊敬や尊重が欠かせないからです。尊敬や尊重こそアサーティブのポリシーを貫いている柱です。

尊敬、尊重のあるところ、自分の意見、考えだけを伝えればいいということはなく、相手にも考えて判断してもらうことが欠かせません。これが欠如するから、防御の壁が出来て風通しが悪くなります。

つまり自分の意見を伝えれば良いのではなく、相手の考えを引き出し、さらに自分と意見交換することで、考えてもらう機会を提供するのが大切です。

この姿勢なしにアサーティブはなく、また語るべき内容と方向性が曖昧なままにコミュニケーションはできないと考えます。

ビジネスシーンの<上司→部下>のコミュニケーションでは、大きく分けると3つのタイプあります。

  ●言いたいことを言う。
  ●言いたいことが言えない。
  ●言いたいことを言って、聴くべきことを聴き、客観的に見て接点を見つけて、
    より優れた方法を合意の上、採択する。

人生は選択の連続です。 コミュニケーションも多くの選択をしているので、相違する価値観のぶつけ合いが起こります。意見に対して反対意見があって当然です。この調整こそがコミュニケーションの課題であり、調整能力がコミュニケーションスキルの重要なひとつです。

<上司→部下>の関係は、ある意味、腕力勝負みたいなところがあり、<上司→部下>に言いたいことを言い、<部下→上司>に言いたいことが言えない、という対立が隠れることがよくあります。
結局、大事なことは通じていなくて上司、部下共倒れになるリスクがあります。

このようなシーンを少なくしていくためにクレドは大活躍します。しかし万能ではありません。考えてみてください。あなたが自分に毎日必ず腹筋を30回しなさいと指示したといます。必要があると思ったからで、「決めたことは必ずやる」とクレドで明文化したとします。あなたはクレドを見て実行するでしょうか?

かなり曖昧です。自分自身でさえそうなのに、他者との関係でできるでしょうか?
もし組織なら、強いリーダーが仕切っていて「クレド通りにやらないとうるさいから」と思えば、クレドは失敗です。

これはクレドに責任があるわけではなく、導入以前の未解決の問題が原因なのです。
つまり相手とどんな関係が築きたいのか、肝心のことに折り合いがついていないのです。

いまこのような風土の企業は成長しません。
言い換えると、未解決のまま生きて行くことは個人としても失敗なのです。このような未解決を解決するのがクレドですが、クレドを作成する前に片付けることがあるということです。

次回は、その問題について説明します。




マイ・クレドを作ってモチベーションをアップしましょう。


今日、英単語を30覚える。腹筋を割るための運動をする。

決めたことが実行できない。その理由はなんだと思いますか?
なにをどう改善したら、自分が自分に約束したことを実行できますか?

一日で最も多いコミュニケーションの相手は自分自身です。毎日は選択の連続。人生は選択です。どれほど好ましい選択をしても最後の最後に自分との約束を裏切れば、あなたの知性はないに等しいのです。不足しているライフスキル。

マイ・クレド。

マイ・クレドは、クレドのわたし版。

自分の人生のある場所で暮らすために欠かせない「生きるモチベーションを高めるマイ・クレドのコーナーでは、クレドを利用して、働き方、遊び方、生き方で自分のスタイルとなる<ゴールデンルール>の具体的な実践方法をご説明していきます。


ライフスキルとは、生きる技術、生きる力です。
技術は使ってこそ価値があるもので、知識として持っていても意味がありませんせん。言語の学習と同じでツールとして使いこなせることが大事です。

おそだてコムでは、課題(タスク)をクリアするプロセスを通じてライフスキルを育めるようにアプローチしています。

そのツールとなるのがマイ・クレドに記載するゴールデンルール(黄金律)です。ここにあげるゴールデンルールはほんの一例ですが、ご覧いただくと分かるように自分のスタイルそのものになります。




マイ・クレドで自分のスタイルを確立してライフスキルを育む

マイ・クレドに選ぶゴールデンルールは一例として、次の7つのなかから選びます。ここでは、繰り返すことで自身のスタイルとして身につくルールと、関連するライフスキルを記載しています。


    コミュニケーションスキル (効果的コミュニケーション ・対人関係)

 自己認識スキル(自己認識・共感性)

 意志決定スキル(意志決定・問題解決) 

 意志決定スキル(意志決定・問題解決)

 意志決定スキル(意志決定・問題解決)

 目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)

 ストレスマネジメントスキル (感情対処・ストレス対処)


▶︎続く