「なにをするか」と「どうありたいか」
中小企業の場合は、特にトップの日常に思考パターンで、どちらかに偏る傾向があります。
「なにをするか」に偏った会社は、儲けるために「なにをどのように売るのか」に熱心です。
どうしても顧客目線が抜け落ちる傾向があり、頑張るけど”もろい”側面があります。調子に乗ったときはイケイケで進撃できますが、一旦不調に陥ると突破口を見出す議論が深まりません。
一方「どうありたいか」という思考パターンに偏った会社は、遠回りしているように見えます。「なにをするか」に関心が強い人には何を言ってるのかよくわからないもどかしさがあります。
さて、あなたの会社はどちら派ですか?
当社では「どうありたいか」にこだわった提案をしてきました。今後も変わりません。どん底状態の会社を起死回生した現実の改革改善で効果を発揮してきた体験に基づいた自負と自信があります。
「なにをするか」を軽視するつもりはありません。実際には「なにをするか」で良くもなるし、悪くもなります。
OSがあってアプリが動くように、「どうありたいのか」がきちんと固まって、その上で「なにをするか」が重要だということです。
クレドは、「どうありたいのか」と「なにをするか」をつなぐツールです。
DO<BE
ありかた、「どうありたいのか」を具体的に固めるとき、お客さまに対する心構えみたいなことを決めます。どこの企業でも言葉に置き換えますが、実際には書いてあるだけで、目にはするけど、気をつけましょうみないな感じで終わっています。
ないよりあるのがマシ程度の扱いで、戦略も戦術にもかすらない。みんなやってるから「我が社も会社らしいことを」のひとつです。
しかし、お客さまは「どうありたいのか」の違いを感じて支持してくれます。違いもなく、思いもない会社や店から買うものはありません。たまたま必要が生じて、そこにあったから買ったに過ぎません。リピートする理由もありません。そこでもっと売りたい(儲けたい)会社や店は、「なにをしたらもっと買ってもらえるか」を考えます。俗に言うマーケティングミックス、マーケティングの4Pを考えます。
• Product(製品):商品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
• Price(価格): 価格、割引、支払条件、信用取引 等
• Promotion(プロモーション):販売促進、広告 等
• Place(流通):立地、品揃え、在庫 等
しかしはっきり言って、「なにをしたらもっと買ってもらえるか」で考えられる範囲はせいぜい価格、プロモーションぐらいで、肝心の商品には及びません。「一旦不調に陥ると突破口を見出す議論が深まらない」という限界はここにあります。
こだわりとは、在り方の問題です。モノもサービスも溢れている時代に、「私があなたから買う理由はなんですか?」と尋ねられたときに、はっきり言えて、それが顧客に決定的な違いをもたらすものでなければ買う理由を感じないでしょう。
在り方とは、存在異議なので、4Pはもちろんですが、さらに範囲は拡大します。拡大してとりとめがなくなるので、視点をステークホルダー(利害関係者)に絞り込み、ステークホルダー単位で在り方を決めます。
それがクレドになります。
働きがいのある会社
先に説明したように、ステークホルダーには、従業員や家族も含まれます。
クレドを通じてワークライフバランスの在り方も浸透して行き、それに伴いワークライフバランスへの具体的な取り組みの入口になります。言い換えると働きがいのある会社への取り組みになります。
この成果は、優秀な働き手を集める原因になり、在り方を土台にして好感度の高い会社づくりが好循環することになります。
冷静かつ客観的に考えていただくと分かると思いますが、自然に競争相手を引き離し、持続可能な利益を生み出す構造が創造されることを示唆しています。
働きがいのある会社の典型的な仕組みが「自律型マネジメント」です。裏返せばその組織で働く人々が自律しているから働きがいのある会社にできるのです。
しかし最初から誰でもが自律していることはありません。
そこでリーダーシップの出番になります。それが「会社を潰さない社長の仕事」なのです。
つまり「会社を潰さない管理職の仕事」です。
マネジメントの基本 防忘録
【会社を潰さない社長の仕事】
マネジメントの基本とは、リーダーシップそのものです。どれほど優れたマネジメントもリーダーシップのあるマネジメントには敵いません。
リーダーシップのある優れたマネジメントの実行こそなにより重要であり、すべての入口になります。
クレドはそれを具現化するツールであり、プロセスです。「どうありたいのか」のかにリーダーシップの方向性が宿り、「なにをするか」にマネジメントの方向性が宿ります。