2014年10月12日日曜日

会社を育てなおす7つのステップ




1.<Be>と<Do>

<Be>は在り方です。こうありたい、あのようにありたい、です。

 <Do>はすること、何をしたか、どうするか、です。




2.ステークホルダー(Stakeholder)

ステークホルダーとは、会社を取り巻く利害関係者です。
具体的には、お客さま、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。

世界で最も大きな研究機関、SRIインターナショナル(SRI International)では、組織にとってステークホルダーのことを「支援がなければ、当該組織が存続し得ないグループ」と定義しています。

つまり会社が存続するためには欠かせないグループであり、成長するには、Win-Winの関係を築かなければならないグループです。

いまでが広く認知されステークホルダーとの関係を大切にする会社が増えています。

国がワークライフバランスに力を入れていますが、そのためにも必須の考え方であり、行動の条件です。




3.Win-Win

Win-Winは、私もハッピー、あなたもハッピーの関係を築くことですが、これを二者間の問題だとすると、問題が起こります。

いまでは「生涯顧客」という概念も広く知れわたっています。「生涯顧客」づくりに力を入れるのいいですが、その裏で犠牲になっている人が増えてくるようでは、企業活動は破綻を迎えるのは時間の問題です。

たとえば当該企業とお客さまの関係はWin-Winの関係なっていても(するために)他のステークホルダーとの関係でWin-Loseになっている場合があります。

よく問題になるのが、企業と従業員の間でWin-Loseになっているケースです。あるいは企業と仕入れ先の間もWin-Loseになっていることも問題になり公正取引委員会の介入を受けることがあります。


こんなことになっている会社が多い。







これでは正常な企業活動とは言えなくなってしまいます。いわゆるブラック企業と呼ばれる場合、このような状態になっています。


1.このようなことにならないように、ステークホルダーとの関係を全部洗い直す作業が必要です。

2.そして関係者それぞれにとってのWinをイメージし、目標を設定します。

3.Winを実現するために<Be>を基礎に自分ができる<Do~なにをするか>行動を決める

4.実現不可能なものには勇気をもって「No Deal」(取引しない)を決断する





4.ステークホルダー

前記、Win-Winの項目、1~4がステークホルダーとの間で行う作業です。

特に【4.実現不可能なものには勇気をもって「No Deal」(取引しない)を決断する】については交渉が必要になりますが、交渉しても変えられないようであれば、他の障害が生じることを防止するために決断します。

ところが、これができない企業(人)があります。理由はいろいろですが、時には倒産に至る場合があります。この件は後で説明します。



5.クレド

先にあげたWin-Winの項目、1~4がステークホルダーとの間で行う作業の結果、具体的な取り決めを全社に浸透させるために要約したものを文章化して実践するためのツールです。

クレドと称して、お客さまとの関係だけを書いたものを配布している会社がありますが、これでは二者間のWin-Winになってしまいます。

クレドはステークホルダー全員がWin-Winになることをめざしたものです。

でなければ「会社が存続、成長するに、ステークホルダーとの間でWin-Winの関係を築く」という思想から外れてしまいます。





6.Win-Winの目的

Win-Winの目的は「会社が存続、成長するに、ステークホルダーとの間でWin-Winの関係を築く」ことで、みんなが幸せになるためです。


企業ならみんな競争しています。競争のないビジネスもありますが、その場合、他の誰もが何らかの理由で手出しをしないことが考えられます。

参入障壁が強いと諦める、あるいは撤退します。逆に参入障壁が低くて儲かるならどんどん参加してきます。

つまりステークホルダーとの間でWin-Winの関係を築くことで参入障壁を高くするとWin-Winの関係はさらに強度を増すという意味です。

参入障壁は主体性のあるリーダーシップとマネジメントで高くできます。




その先にあるのは、人々の幸福が増すという「原理原則」です。
私たちの挑戦はこの「原理原則」に向くしかないのです。

しかし現実には、この挑戦をする人が少ないのです。
この態度が、「儲からない」「幸福とは思えない」になって表れています。




7.<Be>と<Do>再考

「儲からない」「幸福とは思えない」原因はとてもシンプルです。

<Be>と<Do>の理解がなく、<Be>と<Do>の運用を間違えているからです。

つまり仕事の仕方が分かっていない、暮らし方が分かっていないということにつきます。運転の仕方が分かっていないために事故ばかりしているのと同じです。

<Be>は在り方です。こうありたい、あのようにありたい、です。

 <Do>はすること、何をしたか、どうするか、です。

ところが、 <Do>に関心があっても<Be>に関心がないため、悩みが後を絶たないのです。そのため不要な問題に頭を悩ませ、肝心のことWin-Winの関係構築ができない。

たとえば3ステークホルダーの項目であげたように、

【4.実現不可能なものには勇気をもって「No Deal」(取引しない)を決断する】については交渉が必要になりますが、交渉しても変えられないようであれば、他の障害が生じることを防止するために決断します。

と、ありますが、この決断が出来ないのです。

なぜだと思いますか?

<Be~在り方>がないからです。

<Be~在り方>は一般企業にはほとんどあります。「経営理念」と呼ばれるものがそうですが、ほとんどの企業であるだけで使っていない。使う気もないのが実態のようです。

みんなそうしているから、うちも決めようといった程度です。その程度のものなら邪魔になるだけなので、潔く一旦捨てていただいて、<Be~在り方>を正しくしてください。

<Be~在り方>は企業活動の基準になります。つまり行動基準、<Do~する>になります。

「経営理念」として<する>ことを掲げてはいけません。経営理念はこう<ある>という「こうありたい態度」なのです。

こうありたい態度は、すべてのステークホルダーとの間での態度になり、行動になります。基準になります。

「No Deal」(取引しない)を決断できないのは、基準が揺らぐからです。

この得意先とは「No Deal」(取引しない)
この従業員とは「No Deal」(取引しない)

この仕入れ先とは「No Deal」(取引しない)

その判断基準は、在り方に反するからです。

では、< Be~在り方>がない企業ではなにが基準になっているのでしょう?

時々の感情や人、物、ことが基準になっているのです。
これがどれほど大きな問題になっているのか、気づかないことが少なくありません。むしろ時々の感情や人、物、ことが基準にして考えるのが妥当だと思い込んでいる場合が多いのです。

しかし、そのために悩みは絶えないのです。なぜならこれらはどれも不安定な要因だからです。組織の土台に不安定要因を据えたら組織はダッチロール状態になるのは必然です。

つまり主体性が発揮できなくなります。
人間は自分が主体性を発揮できないことをコントロールしようとしたら最後には気が狂ってしまいます。一個人の人生でも同じです。
リーダーシップがとれるずがないので組織はリーダー不在になります。

自分が主体性を発揮できないことをコントロールしている状態は、妖術使いが出てくるドラマや小説以外で見たことはありません。

< Be~在り方>があるはずのポジションに、時々の感情や人、物、ことが入るという状態はリーダーシップの不在を意味します。


リーダーシップのないマネジメントは、マネジメント自体がどれほど立派でも機能しません。つまり組織の崩壊を意味します。


次の図は、在り方を土台にステークホルダーとの間で、それぞれどのようにしてWin-Winを実現するか、アクションを起こした結果、会社ができあがるということを示したものです。

つまり会社は、なにもしなければ会社でも何でもなく、ステークホルダーとの間でWin-Winを実現してこそ、存在価値を得て、会社になるということです。

その証拠にステークホルダーとの間でWin-Loseの関係を創ればブーイングを浴び会社の体を為さなくなります。

できあがった会社が、Win-Winであれば存在価値を認められ、経営者も従業員も、内面の力を育むことができるので、働きがい、さらに生きがいを感じることになります。つまり「幸福」を感じることができ、未解決の問題も仕事を通じて解決できます。この解決こそ最大の満足、最大の幸福になります。















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